きちんと薬を飲んでも血圧が下がらない…どうすればいい?
このような場合、カルシウム拮抗薬の使用が効果的で、ARBと組み合わせることにより収縮期血圧を20~40㎜Hg程度下げられるケースもあるという。医療現場では、降圧作用が強いカルシウム拮抗薬が最初から使われる場合も多い。
「日本人は血管反応性が強いため、血管を拡張させる作用があるカルシウム拮抗薬が効きやすいといえます。軽症から中等度の高血圧症であれば、カルシウム拮抗薬単独かARBとの併用で、血圧の低下と安定化が可能になることが多い。ただ、カルシウム拮抗薬を高用量で使用すると、浮腫、頭痛、頻脈などの副作用が出る場合があるので注意が必要です」
ARBとカルシウム拮抗薬の組み合わせでも血圧が十分に下がらない場合は、β遮断薬やα遮断薬をプラスする選択がある。交感神経の働きを抑えることで心拍数を減らしたり、末梢血管を広げるなどして血圧を下げる効果がある。
「ARBとカルシウム拮抗薬に加え、利尿薬を併用する手もあります。塩分感受性の高い人では血圧がかなり下がるケースも見られ、利尿薬の使用によって、ARBかカルシウム拮抗薬のどちらかひとつに戻せる場合もあります。かつては利尿薬が第1選択薬として広く使われていましたが、頻尿や腎機能を悪くするリスクがあり、今は比較的若い患者さん以外ではあまり使われていません。ただ、減塩が不十分な場合など、注意して使えば効果的です」
まずは自分が飲んでいる降圧薬のタイプをきちんと把握して、血圧がきちんと下がらないようなら、担当医に薬の変更を相談したい。