きちんと薬を飲んでも血圧が下がらない…どうすればいい?
■効く薬の種類を把握する
降圧薬による治療では、患者の状態やタイプに合わせてこれらから1種類または2種類以上を組み合わせて処方される。レニン・アンジオテンシンという血管を収縮させる物質が増えて血圧が高くなっているタイプではARBやACE阻害薬が効果的で、腎臓の働きが低下して塩分を体外に排出する力が減り水分が引きこまれて血液量が増えて血圧が高くなっているタイプには、腎機能を改善するカルシウム拮抗薬が効く。また、肥満などで循環血液量が増えていたり塩分感受性が高い人には、利尿薬の効果が高いという。実際、肥満や心不全の人が多い欧米では利尿薬がよく使われている。
「日本では、副作用が少ないARBやACE阻害薬がよく使用されています。薬によって違いはありますが、ARBの常用量で収縮期血圧は7~15㎜Hg程度下がり、最大用量では20㎜Hgくらい下げることも可能です。ただ、ARBやACE阻害薬だけでは十分に血圧が下がらない人も少なくありません。先ほど触れたタイプの違いをはじめ、とくに高齢者や動脈硬化が進んでいる人では収縮期血圧の上下変動が大きく血圧が急上昇するので、これを抑えるにはARBやACE阻害薬では限界があるのです」