血液型に関係する病気(3)A型が新型コロナに感染しやすいワケ
またO型は、抗B抗体と抗A抗体の両方を持っています。これらの抗体の働きによって、輸血の可否が決まりますが、その話は別の機会にしましょう。
一方、新型コロナウイルスの表面には「Sタンパク質」と呼ばれるトゲ状のタンパク質が多数突き出ています。それが人体細胞の表面にあるACE2と呼ばれるタンパク質と結合することで、感染が成立します。
ところが抗A抗体が、Sタンパク質とACE2が結合するのをある程度妨害することが、実験によって確認されました。
つまりB型とO型の人は抗A抗体を持っているおかげで、新型コロナウイルスの感染からある程度守られているのです。
しかしA型では、新型コロナウイルスが自由にACE2と結合できてしまい、それだけ感染リスクが高くなるというわけです。
もちろんまだ仮説の段階ですし、別のメカニズムが働いている可能性もあります。今後の研究に期待しましょう。 =つづく