(3)「測る医療」の普及でウエアラブル医療機器の可能性が広がる
「ホルター心電計」も進化しています。いつ生じるか分からない不整脈を捉えるために、携帯式の心電図を24時間ないし数日間も付けっぱなしにするという検査ですが、うっとうしいしかさ張るしで嫌がる患者も少なくありません。それがいまでは、USBメモリーを二回りほど小さくしたような、超小型心電計が実用化されています。胸の皮膚をほんの少し切開して、皮下に埋め込むのです。小さくても電源を搭載していて、なんと半年から1年以上も心電図を取り続けることができます。データは、専用の装置を皮膚の上から押し当てることで、読み出すことができます。
「スマートウォッチ」なども進化してきています。血圧や脈拍、簡単な心電図が取れる機種が登場しています。信頼性は低いものの、血糖値を測れる機種も出始めていますし、急速に改良が進んでいくはずです。
スマートウォッチからのデータは、スマホ経由でインターネット上のサーバーに送られ、AIが自動診断してくれるようになるでしょう。それによって病気の予防や早期発見が可能になり、利用者はますます健康になれるというわけです。
すでに必要な要素技術は出揃っています。情報セキュリティや法的な問題(薬機法など)さえクリアできれば、一気に進んでいくのは間違いありません。(つづく)