(7)不整脈は前兆なく突然死も…引き金はストレス、睡眠不足、アルコール、過労
私は高校時代、寮に入っていました。1年生の時、ある日曜日の朝、3年生の先輩が自室のベッドで亡くなっているのが発見されました。2人部屋で、同室だったM先輩は「朝方に1回だけうめき声が聞こえた気がする」とのことで、それ以外の異変には気が付かなかったそうです。
ヒトは突然死んでしまいます。アカシアの雨に打たれなくても、湖に浮かぶ小舟でさざ波に揺られていなくても、突然、死んでしまうことがあるのです。脳の血管が突然破綻して出血した場合は解剖すれば証明できます。後の祭りではありますが。映画「ドライブ・マイ・カー」にもそんな話が出てきます。
ところが不整脈で突然心臓が止まったら、あとで調べようがありません。突然心臓が止まるのは「心臓」の勝手です。「ヤバイよ! ヤバイよ!」とその前兆を教えてくれる「心臓」もありますが、なにも気が付かないまま突然止まる心臓もあるのです。彼女に突然「わかれ」を切り出されたり、奥さんに突然離婚届を渡されたりするのと同じです。こう説明しても「何か前触れはあるんでしょ。必ず」と、信心を曲げない人がいます。誰でも「そんなことは起こっては困る」は「そんなことは起こらないはずだ」、そして「起こるはずなどない」と思い込んでしまうものです。