冬の風呂で命を守るには「熱中症」に注意する…ヒートショックだけじゃない
熱中症は、気温と湿度が高い環境下で、体内の水分や塩分が失われたり、体温の調節機能が利かなくなることで体温が上昇し、めまい、けいれん、意識消失といった症状が現れる病態だ。夏に危険度が高くなるのは当然だが、冬でも入浴時はリスクがアップする。
「風呂は、長時間、熱い湯につかることで深部体温が上昇します。さらに、浴室内も高温多湿になるため鼻から吸う空気で脳を冷やすことができず、体温制御機能が低下して熱中症リスクを高めるのです。入浴中に体温が40度を超えると熱中症の症状が現れ、そのまま入浴を続けていると意識障害を起こして浴槽内で顔がお湯につかってしまい、溺死につながる危険がアップします」
慶応大の研究では、体温37度前後の健康な人が42度のお湯で全身浴した場合、30分足らずで体温が40度に到達すると報告されている。やはり、風呂は熱中症を招きやすい環境といえる。
■浴槽自動保温機能はオフにする
厚労省の人口動態統計によると、こうした浴槽内での溺死は2000年代後半から増加しはじめ、2010年以降は大幅に増えている。その大きな要因は、「浴槽自動保温機能の普及」と「スマホの持ち込み」が考えられるという。