音読、読経、素読…健康長寿は「声出し」から!

公開日: 更新日:

 音読は、心を落ち着かせる効果も期待できる。脳の前頭前野への刺激はセロトニンの分泌を促す。セロトニンは攻撃や興奮を助長するアドレナリンを抑え、気持ちを抑えることができる。

「年をとるとささいなことでイライラして怒りを抑えきれなくなります。前頭葉が縮小したり、機能が低下するからです。音読はこれを抑えてくれるかもしれません」

 もっとも、いい年した大人が一人で本を大声で読んでいるのを周囲に聞かれたくない、という人もいるだろう。ならば、「読経」という手もある。

「40年ほど前に、福島県立医科大学の森一教授が実施した『昭和55~57(1980~82)年における10種の職業集団の平均死亡年齢と死因に関する調査』で、最も長生きな職業とされたのが僧侶でした。精進料理や瞑想が要因とされましたが、私はそのひとつに読経があると思います」

 実際、読経専門の僧侶の口腔機能や呼吸機能を調べたところ、一般の人より良かったことから研究が進み、東京都健康長寿医療センターの歯科医師、医師、心理療法士らと読経を用いたプログラムが開発されている。

「声を出す手段はお経である必要はなく、四書五経の『素読』でも良いでしょう。カラオケもいいのですが、孤独・孤立している人にとってひとりカラオケはハードルが高い。その意味では音読や読経、素読が手頃なのではないでしょうか?」

 あなたもやってみる?

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる