「伸びる心血管修復パッチ」はどれくらい画期的なのか
一方、右心系=低圧系の手術は、先天性疾患で修復しなければならない場合が多いので、使われる人工医療材料は成長に応じてどうしてもサイズアップする必要が出てきます。また、心臓の内部に埋植するパッチなら、いったん縫い付ければ周囲の組織が調整して支えていくので、パッチの大きさはずっと10ミリ程度の小さなものでも問題ありませんが、心臓の外部、外壁や血管に設置する人工医療材料は、周囲の組織がカバーしてくれないので、成長に合わせて交換しなければなりません。伸びる心血管修復パッチの登場で、こうした交換のための再手術が必要なくなるとなれば、画期的といえるでしょう。
低圧系の手術で使われることから、突然破綻するケースも起こりにくく、長持ちします。つまり、“伸びる”という発想が最大限生きる製品といえるのです。生まれつきの心臓トラブルを抱える子供にとって、大きな福音になることを期待しています。