(4)「前立腺がん」のロボット支援手術は回復が早く合併症リスクも低い
最近、PSA関連物質の測定が保険で認められるようになり、診断の精度を上げるのに役立っています。この検査で診断がよりはっきりすれば患者さんの精神的負担も軽くなると思います。
さらに、確定診断の技術も進歩しています。MRI検査と超音波検査による画像を合成した「ナビゲーションシステムガイド」による生検が普及し、より正確にがん組織を特定することができるようになり、治療に役立っています。
治療はがんの進行度や年齢、健康状態などによって違ってきますが、一般的なのが手術療法です。今はロボット支援手術が主流で、術後の回復が早く、合併症のリスクも低くなっています。ただ、術後の後遺症として尿漏れや勃起不全などが出ることもあります。
また、放射線治療もがんの状態によっては有効です。最新の技術には、IMRT(強度変調放射線治療)やSBRT(定位放射線治療)などがあり、周囲の健康な組織へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に破壊します。より正確に狙った部位に放射線を当てることができるようになったためで、通院期間も短くなっています。