ステージ3「結腸がん」70代患者はなぜ抗がん剤を受けられなかったのか?
ちなみに、現在のがんの化学療法は複数の薬を組み合わせて使う「多剤併用療法」が主流。大腸がんの術後補助化学療法の標準治療は、フルオロウラシル(商品名5-FU)とレボホリナートカルシウムとオキサリプラチンの組み合わせのFOLFOX療法や、カペシタビン(商品名ゼローダ)とオキサリプラチンの組み合わせのXELOXなどがある。
矢野さんは定期検診を受診するたびにそれらを希望したが、担当医はやはり「NO」という返事だった。
それでも抗がん剤の代謝拮抗剤と呼ばれるグループの「ユーエフティ配合カプセルT100」など2種類を処方してくれたという。
矢野さんはこの2種類のほかに、心臓病に関する薬「バイアスピリン錠」「アムロジンOD錠」、糖尿病改善の薬「クレストール錠」や漢方薬など、毎日、10種類以上の医薬品を服用している。
また現在、緑内障の治療を含めて通院している病院は5カ所に及ぶ。
矢野さんは、酒やたばこをたしなまない。しかし、仕事柄、酒好きの相手から誘われると断れず、コップの代わりに箸を動かしたという。付き合いで1日に数回も食事を重ねたこともあるそうだ。
「有効な治療法が他にあるのではないか」
そう考えつつ、ストレスの多い仕事と暴食の人生が、糖尿病、心筋梗塞、大腸がんを招いたのではないかと思っているという。