8年連続東大ベスト10 “麻布の共学版”渋幕はなぜ躍進した
学校を率いる田村の考えをよく知る渋幕関係者は「建前と本音をうまく使い分ける」と評する。田村は2000年代、文部科学省の中央教育審議会(中教審)の委員を3期6年にわたって務めた。そこで、ゆとり教育の旗振り役を担ったが、「完全にダブルスタンダード」(文科省総合教育政策局関係者)だった。
「かねてから田村氏は学校週5日制を提言するなど、ゆとり教育の推進者でした。当然、中教審でもそうした主張に立っていた。ところが、渋幕では土曜日も授業をして週6日制を続けた。こうしたことに対し、外野からは『自身の学校への利益誘導』との批判も起こったのですが、田村氏はどこ吹く風といった態度でした」
■俳優の田中圭、日テレの水ト麻美アナが卒業生
銀行出身らしく、教育者よりも経営者としての顔をしばしばのぞかせる田村。その一方で、渋幕はユニークな人材を数多く輩出してきた。8月末まで日本マイクロソフト社長を務めた平野拓也もそのひとり。国内のクラウドベンダー4位だった同社を4年間で2位に押し上げた。この9月からは米本社の新設部門の副社長に抜擢された。