豊田章男トヨタ会長と破綻した旧タカタ高田重久元会長に見る「外部」と「内部」の大きな差
対照的だったのが17年に製造業としては戦後最大の1兆円を超える負債を抱え経営破綻した旧タカタの会長兼社長の高田重久氏。その3年前、同社が製造するエアバッグの異常破裂が相次ぎ、米運輸省からリコールの要請があったのに躊躇。先延ばししたために被害が大きくなった。公聴会にも出席せず、会見も開こうとしなかった。
「高田氏は逃げ回った末に15年6月、ようやく会見に出てきたものの、記者の質問にも用意した文面を繰り返すばかり。トップの自覚がまるでなかった」(同)
創業家という点では前出・豊田氏と一緒だが、高田氏は幼稚舎から慶応。両親とも慶応出身だ。「慶応には創業家の御曹司が数多くいるが、上位校から入ってくる塾員のほうが大成している」と話すのは慶応同窓会の中央組織「連合三田会」の役員。
「人脈づくりでは幼稚舎からのほうが有利なのは明らかだが、温室育ちになりがち。ここぞという時に踏ん張れない塾員が少なくない」
■幼稚舎の正門近くまで母親に車で送り迎えしてもらっていた高田氏