著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

東大の推薦入試制度が悠仁さまに有利に働きそうな理由… 足切りリスクが少ない農学部が確実

公開日: 更新日:

偏差値とは全く異なる“実力”

「つまり相対評価ではなく、絶対評価で合格者を決めているということです。ただ、合格ラインをクリアしている志願者が増えすぎると足切りが行われる。農学部の場合、そうした心配が少ないのがメリット」と前出の塾経営者は強調する。「本人の実力さえ伴っていれば、合格できる」というのだ。ここでいう実力とは、偏差値とはまったく違う。「研究者としての素養を持っているかどうかが大切」と話すのは推薦制度の導入に関わった東大の理系教授。

「正直、そうした学生が減っている。勉強はできても、その先の伸びしろがない。意欲的な学生を掘り起こすためにこの制度は始まった」

 こう説明する同教授は「その点、皇室にはひとつのことを極める意識が高い方が多く、この制度にマッチしている気がする」という。上皇はハゼ研究の世界的権威として知られ、新種も発見。30編もの論文を発表している。悠仁さまの父・秋篠宮さまも家禽類の研究で博士号を取得している。

「悠仁さまのトンボに関する論文を見る限り、ご祖父やお父上と似たタイプなのだと思います」

 教授同士で、もし悠仁さまが東大に来られたらどうなるか、話題にのぼることがあるという。

「警備が大変とはいえ、施設も充実している東大だからこそ対応できるのではという意見が多い。予算が問題ですが」

 東大の年間予算は約2600億円。国内の大学では圧倒的だが、世界では見劣りする。トップの米スタンフォード大は1兆3000億円だ。もし、悠仁さまが東大に入学すれば、これまで以上に費用がかさむことになる。将来天皇になられる方である。すべてが秘密裏に進み、大切な議論が後回しになっていることが一番の問題ではないだろうか。

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