岸田政権が邁進「認知症いじめ」…超高齢化で患者激増予測なのにマイナ保険証ゴリ押し
役人ですら利用率は6%未満
政府は高齢者を対象に暗証番号なしで使えるマイナカードを交付してマイナ保険証の利用促進を図っているが、申請件数は3月末時点で約1万6000枚にとどまる。全体の保有枚数9215万枚のうち、わずか0.02%程度だ。認知症の啓発活動などを行う公益社団法人「認知症の人と家族の会」の鎌田松代代表理事がこう言う。
「そもそも、認知症の方のマイナ保険証の登録・申請はハードルが高い。サポートできる家族や支援者が近くにいればまだしも、1人暮らしの方や遠距離に家族がいる方は、マイナ保険証の取得すら容易ではありません。家族にも負担がかかります。病歴や薬剤情報を十分に記憶できない認知症の方にとって、デジタル化は情報を共有できる点では有意義でしょう。しかし、暗証番号なしのマイナ保険証を発行するのに、なぜ紙の保険証を残さないのか納得がいきません」
こうした懸念や疑問をよそに、政府は今月から7月までの3カ月間をマイナ保険証の利用促進の強化期間に位置付け、利用率5.47%の惨状をどうにかしようと必死だ。マイナ保険証を所管する厚労省の武見大臣に至っては、「利用率に関係なく健康保険証を廃止する」と明言してはばからない。
ところが、マイナ保険証の旗振り役である政府ですら、国会公務員の利用率は5.73%。全国の利用率より0.26ポイントだけ上回っているに過ぎない。
「紙の保険証の廃止は、『認知症の方が尊厳と希望を持って暮らすことができる共生社会』を目指すという基本法の理念と乖離しています。それこそ認知症の方の能力に配慮しながらデジタル化を進めつつ、紙の保険証を残していただきたい」(鎌田代表理事)
「幸齢社会」なんてしょーもないダジャレを掲げる前に、高齢者や認知症患者の不安に寄り添って欲しいものだ。