大流行の「ガチ中華」本場のおいしさとマナー 中国全土を食べ歩いたジャーナリストが指南

公開日: 更新日:

5つの命!蘭州拉麺は朝食として細麺を

 日本のラーメン店にはインバウンドが大挙して訪れ、ラーメンは今や日本のB級グルメのような感じさえするが、もとをたどれば中国だ。

「ラーメンを漢字で書くと拉麺で、『拉』は両手で引っ張って伸ばす行為のことで、引っ張る作業がないと拉麺とはいえません。中国で現在、最も有名な拉麺は、甘粛省の省都・蘭州をルーツとする蘭州拉麺です。蘭州人は細麺を好み、手で伸ばした麺をもたもたしながら食べていると、麺が固まってきてしまいます。拉麺はそれくらい新鮮な料理で、朝食にいただくのです」

 日本でも蘭州牛肉麺の看板を目にすることが増えた。牛肉を添えるのが蘭州拉麺の定番で、本場では5つの命が宿るといわれるという。

 一清=牛骨のスープが清く澄んでいる。
 二白=新鮮な薄切り煮込み大根が添えてある。
 三赤=香り豊かな赤いラー油。
 四緑=葉ニンニクとパクチーの彩り。
 五香=麺が香りを漂わせる。

「蘭州人の師傅(料理人)に聞いたら、細麺は太麺より仕上げるのに時間がかかるといいます。日本の納得する店でいただいたときも10分ほど待って、蘭州での思い出がよみがえる5つの命を宿した一杯に出合えました。もっちり、しっとりを味わいつつも、麺が固まらないようにサッと食べて帰るのが、ガチ中華の拉麺です」

 薩斐蘭州牛肉麺(東京都豊島区池袋2-13-8)では、麺の太さは2ミリから40ミリまで6種類そろえているという。

(料理写真はすべて近藤氏撮影)

  ◇  ◇  ◇

 ガチ中華の世界は、もっともっと奥深い。翌朝のトイレ問題も含めて、ガチ中華を食べ歩いてはどうか。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」