社員20人の紙器製造会社「秀英」が小学校の教科書に載ったワケ
東大阪市で紙器の製造を手掛ける秀英は、社員20人ほどの小さな町工場。そんな会社が20年以上も前にリサイクルの紙容器を開発した。
その名も「ホッかる」。ホッとして助かるのダジャレだ。容器7個でトイレットペーパー1個分が再生できるという。
この取り組みが評価され、小学校5年生の社会科の教科書に採用されている。でも、なぜホッかるが小学生向けの教材として最適だったのか?
「あえて、はがして回収することで利用者にリサイクルを意識させ、興味をエコへと向けさせたことですかね」
こう話すのは、同社の上田秀行会長(写真)。皿が汚れないようにラップを張って使うことがあるが、これはその進化版。紙箱の内側にフィルムが張りつけてあり、食べ終えた人はフィルムをはがし、きれいな外箱だけを再利用に回す仕組み。このひと手間が逆に小学生に“ゴミの分別”と“リサイクル”を意識させるようだ。確かに、大がかりなリサイクル工場の最新技術を説明されるより、ホッかるのような工夫で誰でもエコを実践できると紹介された方が子供たちにとっては身近だろう。