出生数70万人割れの衝撃! ネットで溢れる「子どもはリスク」「子どもは無理ゲー」が示す暗い未来
■94年に少子化対策(エンゼルプラン)を策定してから出生数は4割余りも減った
都内在住で建造メーカーに派遣社員として働く木島隆さん(36=仮名)もこう言う。
「私たちの同期世代は100万人ぐらい? いたでしょうか。でも、学校を卒業したら就職難だった。仕方なく非正規としてクビに怯えながら働き、気付いたら年だけ取っていました。手取りも増えず、出産どころか結婚すら考えませんでした。周囲にも同じような人がたくさんいます」
村山政権が育児休業給付や保育所の整備などを重点政策とした「エンゼルプラン」を策定し、少子化対策に乗り出したのは1994年だった。当時の出生数は124万人だから、この30年間で4割余りも減ったことになる。つまり、政府はこれまでの間、何ら有効な少子化策を打ち出せなかったわけだ。
少子化の要因として挙げられるのはやはり、伸び悩む収入と負担が増す支出だろう。
財務省によると、個人や企業などの所得に占める税金と社会保険料の負担割合を示す「国民負担率」は46.1%。つまり、年収の半分ほどが黙っていても“消える”上、物価高や燃料高で実質賃金は増えず、子どもを持てばさらなる教育費負担増となるだろう。裕福な人であればともかく、この状態が続くようであれば、出産どころか結婚に対して腰が重くなるのも無理はない。