ペットのX線検査を勧められたら…覚えておきたい「必要」と「不要」の線引き
恐らく他院を受診された飼い主さんは、治療内容からネコ風邪として治療を受けたと思われますが、その診断だとしてもフルコース検査は理解できません。ガスの貯留を確認するだけで、それがなければ“MRI→腫瘍”という流れだったのでしょうか。
■検査を除外できるケースも
消化器をはじめとする臓器の大きさや位置などを確認するには、おなじみのX線は効果的です。しかし、症状や年齢、生活スタイルから検査を除外できることも多く、やみくもに受け入れることはないでしょう。
最後に季節の変わり目によくみられる症状について。今年は異常気象でヒトもついていくのが大変ですが、気圧の乱高下によってめまいなどヒトのメニエール病のような症状を見せる動物は珍しくありません。
このような症状が突発的にみられたときのX線検査はアリです。ぶつけたりして頭部をケガすると、脳へのダメージで同様の症状がみられることがあります。そうすると脳の圧を下げるような治療が必要で、その確認にX線は役立つのです。
飼い主さんにとって目の前のワンちゃんやネコちゃんに異変が見つかれば心配ですが、おなじみのX線検査でも必要なケース、不要なケースがあることは大ざっぱに覚えておくとよいでしょう。
(カーター動物病院・片岡重明院長)