日常を忘れられる「たたずみ酒場」「瀑声」に耳を傾け燗酒をあおる異世界…「おんたき茶屋」は新神戸駅から歩いて15分、眼前の風景はまるで絵画
眼前の風景はまるで絵画
やっとのことでたどり着いた雄滝は圧巻の一言。上流から滝つぼへ落ちてゆく瀑流は迫力満点ながら、どこか繊細さも併せ持つ。滝つぼに漂うマイナスイオンが、カオスな県政取材でよどんだ心を浄化してくれた。
さらに数メートル階段を上がると見えてくるのが、おんたき茶屋である。小屋のようなシンプルな外観だが、屋内と屋外にそれぞれ20席ほど設置され、思ったよりも広い。目を引くのは屋外テラスに用意されたカウンター席だ。
一般的な飲食店なら、カウンターテーブルの向かいにはキッチンがあったり、シェイカーを振るバーテンダーがいたりするものだが、こちらは違う。ナント、テーブルの先には空間が広がっており、生い茂る木々と、奥にわずかだが雄滝の姿を望むことができるのだ。ちょうど紅葉シーズンだったこともあり、木の葉は赤や黄に染まり、あたりには「ゴーッ」という流水音が響き渡っている。
記者はもちろんテラス席をチョイス。15分ほどのトレッキングでスッカリ火照った体に、まずはビールだ。流し込んでいると、店員の女性が大根とツナの和え物、おでん3種を運んでくれた。和え物は七味がアクセントになっており、おでんはアッサリとしながら出汁が効いている。