明治安田生命 根岸秋男会長(1)若い頃、3度の挫折を経験
「今思えばですが、その時は若いから人生を悲観するわけですよ。第1志望に落ちて、もう数学の道を究められない。人生真っ暗だって。かといって浪人してもう一度受験する気力はない。そんな気持ちを引きずって早稲田大学理工学部の数学科に入学したのです」
しかしそこでも挫折を味わう。大学の数学は、高校の数学とはレベルが違った。
「数学の醍醐味は、数式を使ってどこまで遠くへ発想できるか。宇宙に例えると、大学に残って数学を究めようという人の想像力は銀河系レベル。でもぼくはせいぜい太陽系止まり。とても銀河系までは行けないと、1年の時に悟りました」
これが第3の挫折。数学者の道を諦め、「何か数学を生かせる仕事ができればいい」とサラリーマンに路線変更した。
しかしまだ2年生。遊ばなければ損とばかりにサークル活動に精を出した。特に思い出に残っているのは4年時に所属したテニスサークル。
「それまで理系で男子ばかりだったので、他校の女子学生と交流するのは楽しかったですね」