東映本社ビル解体で気になる…子会社「東映アニメ」を巡る親子上場問題
もっとも東映にとっての「最大の懸案」(市場関係者)にはなお明確な道筋がついたわけではない。グループで約4割の株式を保有し、東証スタンダード市場に上場するアニメ制作子会社、東映アニメーションを巡る親子上場の問題だ。時価総額の逆転現象が定着化しているためだ。
足元の水準をみても東映本体が2600億円前後なのに対し、東映アニメは5000億円規模とその差は倍近く。東映を買収すれば自動的に東映アニメ株がおまけでついてくるうえ、買収後に東映アニメ株を売却すれば「買い手の実質的な資金負担は600億円ほどで済む計算になる」(メガバンク筋)。
東映アニメは日本のアニメプロダクションの草分け的存在。「ドラゴンボール」「スラムダンク」や「ゲゲゲの鬼太郎」など数多くの優良コンテンツ資産を持ちグループの経営基盤を下支えする。時価総額の親子逆転現象の解消に向け、今後は東映本体の収益力と成長性をいかに高めていけるかが大きな課題となる。