著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

サイゼリヤ株主優待廃止で株価急落…「理系経営」で個人株主の反発をかわせるか

公開日: 更新日:

「値上げをしない宣言」で新規顧客獲得に成功も

 サイゼリヤは、正垣泰彦氏が東京理科大在学中の1967年にフルーツパーラーを洋食店に替えて開業したのが始まり。大学とレストランの二足のわらじは苦労の連続で、お客を集めるために自らサンドイッチマンもやったという。

 いまや従業員数2000人超、国内外1500店舗を超える大手ファミレスに成長させた正垣氏の経営は、自身が「論理が明快な数学と物理がとても好き」というように、徹底した理詰めの「理系経営」で知られる。コロナ禍では、あえて「値上げをしない宣言」をしてサイゼリヤに馴染みのない新規顧客獲得に成功したのも理系経営の成果とされる。

 サイゼリヤはコロナ禍の影響をもろに受けたが、23年8月期に売上高は1832億円(前期比27%増)、営業利益72億円(同17.1倍)とV字回復した。値上げしない宣言が顧客獲得の支持を得た格好だ。

 今回の株主優待の廃止と増配も、正垣流の「理系経営」のなせる業か。ただ、「NISAを通じてサイゼリヤの株を購入した家族も少なくない。株主優待を期待した個人株主が離反すれば、売り上げにも悪影響が懸念される」(大手証券幹部)というのだが……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  2. 2

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  5. 5

    パワハラ告発されたJ1町田は黒田剛監督もクラブも四方八方敵だらけ…新たな「告発」待ったなしか?

  1. 6

    矢沢永吉「大切なお知らせ」は引退か新たな挑戦か…浮上するミック・ジャガーとの“点と線” 

  2. 7

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 8

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 9

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 10

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは