内田副総裁の「さらなる利上げ」否定で株価上昇も…日銀に《仕手集団》《インサイダー》との声が上がるワケ
内田副総裁は講演で、今後のさらなる利上げの判断に関し、「ここ1週間弱の株価・為替相場の大幅な変動が影響する」と言い、株価の変動についても「政策運営上、重要な要素となる」と指摘。株安・円高の進行について「極めて高い緊張感を持って注視し、政策運営において適切に対応していく」と強調していたのだが、トップの総裁が「さらなる利上げ」の可能性に踏み込んでから1週間で、副総裁がその“火消し”に回るとはチグハグ対応と言わざるを得ない。
日銀は「アベノミクス」の大規模緩金融和策の一環として、今年3月まで「ETF=上場投資信託」を購入。保有額は時価で74兆円(同月時点)に上ると推計されており、国内上場株式の時価総額の1割近くを握る「日本企業の最大の株主」とも言われてきた。
つまり、株が大暴落すると日銀の財務体質も大きく毀損されるわけで、“大株主”としてこれ以上の株価下落に歯止めを掛けようと動いても不思議ではない。SNS上で日銀に対して《何だか巨大な仕手集団のような》《インサイダーとは言わないけれど……》といった声が出ているのも、このためだ。