パン・パシフィック・インターナショナルHD(上)ドンキ創業者の長男、23歳の安田裕作氏を取締役に選任
業績を牽引するのは、ドン・キホーテなどディスカウント事業だ。韓国や台湾、東南アジア、米国から観光客が増え、化粧品や酒、菓子類などの販売が好調だ。既存店売上高が前期比10.1%増と好調。免税売上高が3倍の1173億円と伸びた。だが、海外ではアジア事業が前期比91.0%の営業減益、北米事業も同52.4%の営業減益だった。
25年6月期は、売上高は前期比6%増の2兆2200億円、営業利益は7%増の1500億円と増収増益を見込んでいるが、最終利益は2.5%減の865億円と減益の見込み。
PPIHは安田会長が創業した。1978年にディスカウント店「泥棒市場」を開いたのを皮切りに89年にドン・キホーテの1号店を出店した。24年6月期まで上場前を合わせて35期連続の増収増益となり、連結売上高も2兆円を超えた。
株式市場の評価は高く、時価総額約2.4兆円(10月18日時点)は、小売業では「ユニクロ」のファーストリテイリング、セブン&アイ・ホールディングス、イオンに次いで堂々の4位だ。
「怪物経営者」である安田会長は、なぜ、まだ駆け出しの若者でしかない裕作氏を取締役に引き立てたのか。(つづく)