日本果汁 河野聡社長(1)唯一無二の柑橘系チップスが大ヒット
今年7月、じゃがいもを原材料としないユニークなチップスが発売され、話題となっている。商品名は「さくピー」(1袋360円)。“さくさくなフルーツのピール(皮)”を略したスナック菓子で、小笠原で収穫される「小笠原島レモン」の果皮を油で揚げたものだ。
販売元は、京都で農産物の加工・販売を手がける「日本果汁」。社長の河野聡(47)が自ら発案したこの商品は、小笠原航路の発着地である竹芝客船ターミナル内のアンテナショップ「東京愛らんど」や小笠原諸島の売店で飛ぶように売れている。
「『東京愛らんど』では7、8月と2カ月連続で売り上げランキング1位を獲得しました。父島でも、扱っているのは1店舗だけですが、売れ行きは好調で、反響の大きさに驚いています」
最近は大手のスーパーや問屋からの問い合わせも増えている。「柑橘系の塩味スナック」という目新しさに加え、消費者の健康志向にもマッチするからだ。
もともとレモンの果皮は食物繊維が豊富なため、生活習慣病が気になるような中高年も手に取りやすい。「真空フライ製法」を採用し、低温で揚げているのもミソ。栄養成分の損傷が少なく、素材本来の風味も残せるという。試行錯誤の末に生まれた唯一無二のスナックである。