とんきゅう 矢田部淳社長(1)高1で人生の転機が…キッチンで指揮を執るシェフの姿に衝撃
「動物園をつくりたかった」という母の影響で、自宅では犬、猫、鶏など多くの動物たちに囲まれて育った。動物たちの世話をよくする、優しい性格だった。でもコンプレックスもあったという。
「人にきちんとモノが言えない性格でしたね」
一方、スポーツは万能。空手は茨城県内では敵なしで、小学4年の時に全国で3位になった。
何よりものめり込んだのがサッカーだった。一時はプロを目指し、クラブチームで練習に励んだ。
「サッカーは高校まで続けましたが、小学4年の時から成長痛がひどくなり、早々にプロはあきらめました。それからは、将来何になるか、ずっと模索していました」
家業のことを何となく気にかけ、大学では経営学を学ぼうと考えていた高校1年の時、転機が訪れる。
このころ、両親はイタリアレストラン「アルゾーニ・イタリア」を、つくば市に開店するため、家族で視察を兼ね、東京近郊のイタリアンを食べ歩いていた。当時人気だった東京・六本木の「サルヴァトーレ」を訪れた際に、キッチンで指揮を執るシェフを見て、大きな衝撃を受けた。