初先発は3回1失点 マー君「初被弾」もこれだけの収穫
その瞬間、ア然としたわけでも、ボー然としたわけでもない。むしろ打たれて当然、へー、こっちは1番打者でもあの球をあそこまで飛ばすのかという感じで、サバサバした表情すら浮かべた。
田中将大(25)が、初先発だった6日(日本時間7日)のフィリーズ戦で初の本塁打を浴びた。
三回2死走者なし。若手成長株の1番・ガルビスに、真ん中低め141キロのストレートを右翼場外へ運ばれた。3ボール1ストライクから、四球を嫌ってカウントを取りにいった球だった。
■「神経を使うしかない」
「(本塁打された球は)コースも(甘く)力もなかったです。1番打者でも甘く入ればああなるので、神経を使って投げるしかないです」とは試合後の本人だ。
メジャーの打者の技術やパワーはケタ違い。日本のプロ野球で通用した球でも、大リーガーは見逃しちゃくれない。それが分かっただけでも収穫か。
この日のフロリダ州クリアウオーターは朝から雨。午前中からどしゃぶりで、先発予定の田中はナインから「きょうの登板はないぞ」と言われていた。試合開始時間の午後1時になっても雨はやまない。それでも「気持ちは切らさないようにした」(田中)。試合は予定より1時間半遅れで午後2時半にスタート。湿度は実に100%近かった。滑りやすいメジャー公認球にようやく馴染んできたところなのに、この日の感触はいつもとまったく違うものだった。本人も「きょうはボールが手につき過ぎた。とにかく試合の中で修正しようとしたんですけど、それができなかった」と話した。