5敗目も「自責点ゼロ」 楽天・松井裕はここがスタートライン
思わず同姓の先輩を恨んだに違いない。
30日のソフトバンク戦に先発した楽天の松井裕樹(18)。五回までわずか1安打に抑えるも、六回2死に三ゴロに打ち取ったと思った当たりを三塁の松井稼が悪送球。直後、内川に2点適時打を浴び、自責ゼロながら7回3安打2失点で今季5敗目を喫した。先発初勝利はまたもおあずけだ。
不運に泣いたとはいえ、気になるのが盗塁数。この日、松井が出した走者は6人で、そのうち3盗塁もされた。プロデビュー戦となった4月2日のオリックス戦でも、ヘルマンに二盗、三盗と立て続けに走られ、巨漢のペーニャにまで盗塁されている。
松井の許盗塁数は12に対し、チームの総数が74個。実に6分の1近い数字と、俊足選手はおろか、そうでない選手にまでカモにされているのだ。
盗塁阻止は捕手との共同作業。それでも松井の責任は大きい。ただでさえ、牽制やクイックが苦手な上、左打者に対しては外角に大きく外れるボールを投げることもしばしば。二回に長谷川が初球から盗塁を成功させたのも、左打者の本多の外角にボール球を投げた時だ。これでは捕手も二塁に送球しづらい。