体調不安と球団内の確執 王氏「ソフトバンクと決別」の現実味
■胃がん、腸閉塞、胆のう摘出
かつて強靭な肉体を誇った「世界の王」も来年5月で75歳。ホークス監督時代の06年には胃がんの全摘出手術を受け、戦線離脱。現場復帰後は点滴を打ちながら指揮を執り、08年限りでユニホームを脱いだ。09年には腸閉塞で入院。同時に胆のうの摘出手術を受け、周囲に心配された。
王会長はただでさえ、さまざまな団体の要職に就いている。世界少年野球推進財団理事長、NPB特別顧問、野球特別大使(外務省から嘱託)など、各方面から引っ張りだこ。親しい関係者には「必要とされるのはありがたいこと。でも、そろそろゆっくりしたいという気持ちもある」と話しているため、球界では「次に辞めるのはソフトバンクの球団会長ではないか」と言われている。
王会長がソフトバンクで現在の職に就いたのは08年。会長といっても、仕事内容はGMそのもので、補強からドラフトまでチーム編成のトップとして辣腕を振るってきた。王会長の持つ多くの肩書中、もっとも激務といってもいいだろう。
それがここ数年、仕事量が減ってきたという。かつてはドラフト候補がいると聞いて、福岡から東京六大学や東都野球を視察に行くことも珍しくなかったが、近年はサッパリ。他の業務も部下に任せることが増え、編成に関わることは減った。