<第40回>「華やかできらびやかな世界に染まらないで欲しい」

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同僚に恵まれた(C)日刊ゲンダイ

 プロ野球選手といえば、かつては宵越しのカネは持たない江戸っ子のようなところがあった。
 活躍して給料が上がれば、パーッと使う。高価な車に乗り、うまい物をたらふく食べ、一流の場所で酒を飲むのが一種のステータス。銀座あたりでうまい酒が飲みたくて、また頑張る。そうやって一流になるんだぞと、教えられた世代があった。

「けれども、いまは変わってきたような気がします。おカネの管理の仕方なども、球団が教育のような形でしてくれます。日本ハムも野球をやめた後のことを考えてやりなさいと言ってくれているようです。フツーの感覚がマヒ? そこは心配しました。先輩に行こうと言われたらなかなか断れない。断り切れない部分もあると思うので、入るときに(球団に)お願いしたのです」と父・徹(52)は言う。

 母・加代子(51)も「プロは華やかな、稼いだら使うというきらびやかな世界だと思っていたので、そういうのに染まらなければいいなということは(球団に)言ったと思います」と話す。

 しかし、両親の話を聞く限り、大谷は稼いだらその分使うという、派手で、きらびやかな世界に染まっている様子はまったくない。二十歳になったいまも寮からの外出は許可制だし、何より本人がそれを苦にしている気配がない。そうやって野球漬けの日々を送りながらもナインと打ち解け、笑顔の絶えない生活を送っている。それは大谷がケチのつけようのない成績を残しているのはもちろん、メンバーがフレッシュで、牢名主のようなボスのいないチーム事情も関係しているのかもしれない。

 加代子は「最初は心配でしたけど、入ってみたら、 

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