93年世陸マラソン「金」 浅利純子さんは3人の男の子の母親に
さて、93年の世界陸上シュツットガルト大会での金メダルが燦然と輝く浅利さんだが、快挙の伏線は前年の大阪国際女子マラソンにあった。バルセロナ五輪の代表選考を兼ねた同大会で浅利さんは有力候補のひとりに挙げられていたが、ダイハツの後輩、小鴨由水が優勝。浅利さんは代表を逃した。
「自分自身の不甲斐なさにヘコむと同時に、マスコミの対応にもショックを受けました。大会前日までヨイショしてたのに、負けた途端、手のひらを返すように冷たくあしらわれた。それが私の負けん気に火をつけたんです」
01年に引退。その後はダイハツのコーチとなり、05年に帰郷。06年3月に結婚した。
「親バカですが、かなうものなら、3人の中でひとりでもいいから、箱根駅伝に出て欲しいですね。それがかなったら、もちろん、応援に行きますよ」
8月1日には毎夏恒例の「浅利純子杯争奪鹿角駅伝」が開かれる。
「競技力アップと競技人口の拡大を目指し、07年、小中学生の駅伝大会としてスタートしました。今年で9回目。去年は地元の秋田だけでなく、岩手や青森からの参加もあって、全部で60チームが走りました。私はスターターと、遅れ気味のランナーの伴走が仕事。走るって、何歳になっても楽しいもんです」