心技体の衰え指摘も 休場の白鵬がまだ引退できない複雑事情
それでも「年内いっぱいで引退」という青写真は、すんなり実現しそうもない。それは白鵬がいまだモンゴル国籍だからだ。
白鵬は引退後、協会内で年寄に就任、親方になりたいという希望をもっている。女房は日本人だし、子供も日本で育てている。すでに内弟子もいるそうだし、それが力士にとって引退後の自然な人生設計でもある。
しかし、相撲協会の規則で、年寄は日本国籍を有する者に限ると定められ、北の湖理事長も規則を変えるつもりはないと公言している。つまり白鵬は日本国籍を取得しない限り、親方になりたくてもなれないのだ。前出の親方がこう言った。
「父親のジグジドゥ・ムンフバトはメキシコ五輪のレスリング重量級で銀メダルを獲得。モンゴル人初のメダリストで、モンゴル相撲の横綱でもある。つまり国民的英雄です。それだけに日本国籍の取得は、祖国を捨てるようで抵抗があるんだろう。モンゴル国籍のまま親方になる方法はないかと模索していて、改革派といわれる貴乃花親方と急接近しているというウワサもあった。けれども、北の湖理事長の次は八角親方が理事長のイスに座るのは既定路線だからね。協会の内規は当分、変わらないでしょう」