心技体の衰え指摘も 休場の白鵬がまだ引退できない複雑事情
「左膝に炎症があって力が入らない状態ですから休場することになりました」――。
横綱白鵬(30)が15日、大相撲秋場所3日目からの休場を自ら発表した。
この日早朝、東京・墨田区内の病院で精密検査を受け、日本相撲協会に「左大腿四頭筋腱炎で4週間の加療を要する見込み」との診断書を提出した。
白鵬の休場は大関時代の06年九州場所以来、通算3度目。07年の横綱昇進後は初めてのことだ。今場所で横綱在位49場所となり歴代4位の貴乃花と並んだが、史上最多の横綱連続出場は722回で途切れた。
今場所中に復帰しなければ、歴代1位の幕内連続勝ち越しと連続2ケタ勝利は、いずれも51場所で止まる。
場所前の稽古で左膝を痛めた白鵬は14日、西前頭筆頭嘉風(33)の引き落としに崩され、小結だった05年九州場所以来となる初日からの2連敗。精彩を欠いていた。
■舞の海氏は「バランス力低下」を指摘
故障や環境の変化はあるにせよ、白鵬がこうも簡単に崩れたのはもっと根本的な問題があるからではないか。NHKで解説する舞の海秀平氏はテレビで、「(相手と体が)離れているときのバランスを取る能力が若干、落ちているのかなという気はしますね」と話していた。相撲評論家の中沢潔氏はこう言った。