コースも選手も観客も低レベル 「日本OP」権威失墜を憂う声
今年の全米オープンでは、勝ったJ・スピース(22)とD・ジョンソン(31)が最終18番ホールまで熾烈な優勝争いを演じた。誰が優勝するか最後までわからず、前半に優勝争いから脱落した選手がサンデーバック9で爆発して再浮上なんてことはよくある。7月の全英オープンは72ホールで決着がつかず、3人によるプレーオフと勝敗が簡単につかなかった。だからギャラリーは息つく暇もないのだ。同じオープン競技でも、日本一のゴルファーを決める大会は「見どころ」「見応え」がほとんどなかったわけだ。
観客にも問題がある。18番パー4(490ヤード)で池田がドライバーを打とうとした瞬間、「カシャッ」というシャッター音が響き、アドレスに入っていた池田は苦笑いを浮かべながら仕切り直した。これでリズムが狂ったのか、第1打がフェアウエーバンカーにつかまり、痛恨のボギーへとつながった。
「あの場面は120%のショットをしなければバンカーを越えられません。全神経を集中していたはずです。それを仕切り直さなければならなかったのだから、集中力が途切れてもおかしくありません。完全にギャラリーに水を差されました。ショットは、アドレスに入る前から始まっています。最終ホールの一番大事な場面で禁止されている携帯で撮影をするのだからひどい話です」(前出の菅野氏)
敗れた池田は、「携帯? 今日は1番からずっとそう」とぶぜんとした表情を浮かべたが、選手が選手なら日本のギャラリーもレベルが低過ぎる。日本一権威のある大会がこれでは、国内男子ツアーの復権は遠い。