日本の「学生スポーツ」はなぜビジネスにならないのか
かつては有望選手のスカウトで多額の裏金が動き、指導者は年俸10億円以上で引き抜かれたという。NCAAは2011年から14年間で約108億ドル(約1兆2630億円)の契約をテレビ局と結んだ。高額な放映権収入は大学に分配される。人気のあるスポーツやイベントを金に結びつけるシステムが、米国では確立されている。バスケだけで日本円にして年間40億~50億円の収入のあるルイビル大のような大学も珍しくない。
翻って日本は、アマチュアスポーツで金儲けすることに嫌悪感を持っている。大学スポーツではないが、人気は全国区の甲子園大会も、「教育の一環」と捉える。民放中継の箱根駅伝以外の大学スポーツで大きな大会は、ほとんどNHKで放送されるから、放映権収入のうまみもない。
要するにマネーを生む土壌がないのだ。