金銭授受を野球賭博と同列に報じるスポーツメディアの愚
巨人選手の野球賭博関与で球界に衝撃が走ったのは昨年10月のこと。今月には、巨人から「第4の男」・高木京介の賭博関与も公になったが、その後の球界に関する報道がおかしな方向に動き出している。
これも巨人に端を発した自軍の勝敗に絡んで現金をやりとりしていた円陣での「声出し」金銭授受(敗戦時の支払いは巨人だけ)や練習中のノック罰金、高校野球くじ、投手陣の個人成績に祝儀等々は、野球を職業とする人間のモラルに反するだろうが、バックに暴力団などの反社会的勢力の影がチラつく野球賭博とは別物だ。
スポーツライターの工藤健策氏がこう言う。
「今はどの球団にも、本当のチームリーダーや苦言を呈することができるベテランがいない。自分で社会常識を判断できなくなっているから野球賭博などに手を出すのだろうが、それにしても最近のスポーツマスコミは、ベンチ前の声出しや練習のミスで金銭を徴収していたことを野球賭博と同じようにデカデカと報じている。それは結果的に、野球賭博に関わっていた選手を4人も抱えていた巨人の責任を軽くしたり、ファンの目をそらすことになる」