日本実業団陸上競技連合 西川晃一郎会長インタビュー<下>
――最後にお聞きします。男女とも記録が伸びないどころか、昔より遅くなっているのが日本のマラソンです。五輪はペースメーカーはいませんし、東京五輪は酷暑も予想される。アフリカ勢は高地育ちで、マラソン王国のケニアやエチオピアの代表も1国3人です。だから日本勢にチャンスありという声もありますが、そんなに甘いもんじゃないとの声の方が多い。それでも2020年東京五輪で日の丸は揚がると思いますか。
「揚げられると思わない限り揚がりません。揚げられると思ってもなかなか揚がらないものです。でも、揚がると思わない限り、揚がりません。経営も同じだと思います。お金を使うだけではなく、知恵を出し、汗をかいて、みんなで頑張ることに尽きるのではないでしょうか。世界の情勢を冷静にみて『日本選手が五輪のマラソンでメダルなんて無理だよ』といったところで、何もいいことは起こりません。私は荒唐無稽なことを言っているつもりはありません。五輪のメダルはやり方次第ですし、可能性はあると思っています。スポーツマンですから可能性がある限り知恵を出し、汗をかき、みんなで頑張っていこうと思います」(おわり)