市立呉・中村監督に聞く 創部10年で甲子園までの紆余曲折
25日に登場する市立呉(広島)は、春夏通じて初の甲子園出場ながら初戦(対至学館)を突破して2回戦に進出した。創部10年目のチームを率いる中村信彦監督(62)は保健体育科教諭。尾道商時代に3度センバツ出場、82年、86年はベスト8に導いた。ベテラン監督にチームづくりについて聞いた。
――呉の監督に就任した経緯を教えてください。
「それまで僕は同じ広島県の(県立)賀茂高校で監督をしていたんです。そこに『呉高校が野球部をつくる』という話を聞いた。私は名門の尾道商で監督をし、賀茂高で自分の力を試した。ならば最後の奉仕ということで甲子園に行けるチームをつくってみたい、と。部をつくったことはないので楽しみでもあった。(創部から)3年後は県ベスト8には行きたいと思ってました」
――創部ならではの苦労もあったのでは?
「まず、他の部活もあるので学校のグラウンドは使えない。1年目の6月からは呉市内にある総合グラウンドを使えるようになったんですが、学校からバスで片道40分。私が運転して選手の送り迎えをしていました。練習はそこで8時半まで。帰り支度をして9時に出発すれば、学校に戻るのは9時40分です」