四球が激減 西武投手陣を変えた“ストライクゾーン改革”
首位奪取も夢ではなさそうだ。
2位楽天を3タテした3位西武。17日は菊池が9回無失点に抑え、これで楽天とは2.5ゲーム差。首位ソフトバンクにも6ゲーム差だ。
昨季はリーグ4位のチーム防御率3.85に加え、524四球は同ワースト。そこにエースの岸が楽天にFA移籍したものだから、球団は泣き面にハチ。今季開幕前、ある球団スタッフは「リリーフは整っているけど、先発が足りない」と嘆き節だった。
それがいまや、チーム防御率3.30はリーグ2位。287四球はパで最も少ない。この日、12勝目(5敗)を挙げた菊池を筆頭に、ウルフ9勝(2敗)、野上7勝(7敗)、十亀6勝(5敗)、岡本6勝(無敗)と、懸念されていた先発陣も結果を残している。
■アバウトなストライクゾーンが奏功
土肥投手コーチは「秋季キャンプからやってきた四球対策が実を結んだ」と、こう話す。
「ストライクゾーンを甘めに設定して投げさせたんです。メジャーではホームベースをタテに3つに割って、それぞれミドル(真ん中)、インナー(内角)、アウター(外角)と大ざっぱにゾーンを分ける。これを取り入れた。ギリギリのコースばかり狙っていては四球が増える。例えばカウント3ボール1ストライクのケースでも、甘く入ってもいいからゾーンで勝負してくれ、と。時には打たれることもあるが、意図した通りのボールなら問題ない」