各校の力が均一化 箱根駅伝“打倒青学”の意外なカギ
■「ひとりで考えてやるから強い」
各校の力が均一化してきた昨今、復路での逆転は難しく、往路の展開がカギを握る。青学の3連覇は、5区の神野大地、2区の一色恭志という往路の核の存在が基点となっていたが、今年は核が不在。原監督も「調和」を強調せざるを得ない。
その点で2区に鉄板エースの鈴木健吾を持つ神大が怖い。昨年の1区・山藤篤司↓鈴木のタスキはさらに太くなり、駒大の片西景↓工藤有生、東洋大の相沢晃↓山本修二にも実績はある。順大の2区に五輪代表の塩尻和也、そこまでなら山学大にも最強留学生のD・ニャイロだっている。
見どころは1、2区での位置取り。ただ、どこも継走の先々に不安をはらんだチームばかりで、その混濁をかき回す爆弾ランナーが東大生だ。
関東学連選抜の近藤秀一は、ただの東大生ではない。予選会(20キロ)の記録は59分54秒で完走584人中20位、留学生を除けば10番目。1万メートルでコンスタントに29分10秒台の選手が1区を志願したのは、今年の混濁状況を承知の上で、何かやる魂胆が見える。