東京五輪へ課題山積 諸悪の根源はJOCの“言いなり体質”
過去最多13個のメダルラッシュに沸いた平昌五輪だが、開幕前の火種はまだ燻ったまま。選手の所属企業や学校、出身校による壮行会が相次いで非公開になった問題だ。
国際オリンピック委員会(IOC)は「ロゴマークや代表選手の肖像権など知的財産を宣伝目的に使えるのは、協賛金を拠出する公式スポンサーのみ」という規則を定めている(五輪憲章「ルール40」)。これに沿って、日本オリンピック委員会(JOC)が壮行会やパブリックビューイングのメディア公開は宣伝行為にあたるとして禁止。これに各所から困惑とブーイングが広がっていたが、五輪閉幕後の27日には日本私立大学協会(私大協)が改善要望書を政府に提出する事態に発展した。
元JOC職員で長野五輪の招致活動に携わったスポーツコンサルタントの春日良一氏はこう言う。
「長野五輪の頃はJOCが『IOCとは対等にやっていく』という気概とプライドを持って取り組んでいました。言うべきことは主張したし、コンタクトが取れていたからこそIOCとの一体感もあった。でも、今はIOCの懐に入り込んでいけず、言われるがままという感じ。もちろんアンブッシュマーケティング(便乗商法)は防がなければいけないが、すべてNGもよくない。『オールorナッシング』とはいかないバランスの難しい問題。ケース・バイ・ケースの細やかなマーケティングが必要なのに、それが面倒だからすべて禁止にしているのでしょう。いかにもお役所仕事です。改善要望書の提出も本来なら私大協はJOCに出すべきなのに、政府に出したというのは、それだけJOCが信用されていないとも言えます」