現役に終止符 元世界王者・山中慎介が“第二の人生”を語る
「ネリとの試合が終わって引退を決めた2、3日後の朝にパッと目が覚めて、ふと<今、何曜日や>と。現役当時は日曜日を除いてほぼ毎日、10キロ近い距離をロードワークしていたので<走らなアカン>とシンドかったりもしたんですが、<あ、そうか俺ボクシング引退したからもう走らなくていいんやな>と納得したら、寂しくなった。雨が降ると、<おっしゃ休みや>とうれしがってたくせにね(笑い)」
昨年8月のネリとの初戦に敗れた際、引退が囁かれた。しかし、現役続行を表明。妻・沙也乃夫人(33)、長男豪祐くん(5)、長女梨理乃ちゃん(4)と家族水入らずで過ごす時間が、闘争心に火をつけた。
「タイトルを防衛している間は試合後に応援してくれた方へ挨拶に行ったりして、家族との時間があまりなかった。それが昨年8月の試合の後は、周囲が気を使ってくれたおかげで、はじめて一家4人でゆっくりと過ごせたんです。そうしたら、子どもが『次やったら勝てるんじゃないの』と言い出して。悩んだ末に、現役続行を決めたんです」
家族の存在こそが強さを支え続けた。