パ・リーグに感じる “メード・イン・ジャパン”の革新路線
今季の交流戦もセを圧倒
今季のセ・パ交流戦も相変わらずパ・リーグが強い。個別の球団ごとに見ると、セ・リーグ最下位のヤクルトが交流戦では健闘していたり、パの最下位である楽天は交流戦でも同じく不調だったり、いろいろと注釈を付けたくなるものの、全体的にはパの野球がセを圧倒しているのはまちがいない。そして、そんなパ強セ弱の傾向は近年ずっと維持されたままだ。
実際、パの野球を見ていると、セにはない迫力を感じる。とりわけ打撃陣がすごい。たとえば柳田悠岐の超人的な肉体と強烈なフルスイング、秋山翔吾の柔と剛、中村剛也と山川穂高の重厚感、吉田正尚や森友哉の小柄ながら豆タンクみたいな力強さ、そういう多士済々のスラッガーがパにはそろっていて、あきらかにセよりも人材が豊富な印象を受ける。あの中田翔も今やパの中では脇役感があるほどだ。
さらに、そのスラッガーが日本人ばかりであることも見逃せない。今季ここまでの個人成績を見てみると、パの打率ランキングベスト10に入っているのは全員日本人選手(1位は柳田)で、本塁打数も上位10傑のうち7人が日本人(1位は山川)、打点数も上位7人まですべて日本人(1位は山川)である。普通、本塁打と打点といえば外国人打者のセールスポイントといったイメージがあるが、今季のパはそこすらもメード・イン・ジャパンが席巻している。