大谷も慕う日ハム若きエース 上沢直之の挫折から再生まで
【二軍の最下層】
「目に輝きがなく、迷路に入り込んでいるという感じでした」
日本ハム7年目の右腕・上沢直之(24)についてこう話すのは、伊藤剛二軍総合兼投手コーチだ。ここまで5勝2敗、防御率2.10の好成績を残す187センチの長身右腕に何があったのか。
高卒3年目の14年に8勝をマーク。同年のU21の日本代表にも選ばれるなど急成長を遂げたが、15年は不調に陥り、終盤には右肘痛を発症。フォームも崩れた。
16年の開幕直前、右肘にメスを入れた。肘関節滑膜ヒダ除去手術で、全治6週間だった。術後のリハビリを経て、二軍戦に復帰したものの、なかなか状態が上がらない。速球は130キロ程度。思うようにストライクも入らず、二軍でも一番下のレベルまで落ちたという。選手生命の危機といっても過言ではなかった。
【フォーム再生】
一軍登板ゼロに終わった16年9月だった。上沢は鎌ケ谷で伊藤コーチ、今は一軍担当の高橋投手コーチも交え、フォーム再生について話し合った。