ロシアW杯を制したフランスに感じた長期政権のメリット
活動日数の少ない代表チームを成長させ、熟成させていくのには、優秀な指導者に長期政権を任せることが、個人的には最善のように見える。
そのことは、前回ブラジルW杯の王者ドイツにも共通する。04年にドイツ代表のヘッドコーチに就任したレーウは、06年ドイツW杯後に監督に昇格。ユーロ2008準優勝、10年南アW杯とユーロ2012の3位を経て14年ブラジルW杯で優勝した。長期政権のメリットを立証した格好だ。
この4年間に志向性の異なる3人の指揮官がチームを率いた我が国の代表チームとは、実に対照的と言うしかない。
拙速な監督選びをする必要はどこにもない。まずはロシアW杯をしっかりと検証すれば、おのずと日本の進むべき道が見えてくるはずだ。正常進化を願ってやまない。
(元ワールドサッカーグラフィック編集長・中山淳)