著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「ナオチ」自身はアイデンティティーに区切りがついている

公開日: 更新日:

 大坂なおみテニスの4大大会、全米オープンで優勝した。日本選手としては男女通じて初の快挙。テニスのオリンピックは代表選手による“選抜大会”だから、グランドスラム優勝はそれ以上の価値がある。国民栄誉賞の話が出てきても全然おかしくない。

 帰国していまだ大騒ぎのただ中だが、マスコミも国民も戸惑っているのが、果たして大坂は「日本国民」なのか。帰国か、凱旋か……その辺をもう一度整理してみよう。

 あだ名は「ナオチ」。新女王の父・レオナルドはハイチ生まれ米国育ちで、母・環さんは北海道生まれの日本人だ。

 2人は札幌で出会い、大阪で結婚して姉マリとナオチが生まれた。3歳の時に父の両親が住む米国ニューヨークのロングアイランドに渡り、8歳でフロリダに移っている。

 日本と米国の二重国籍で、法律上は来年10月に22歳になるまでどちらかの国籍を選ぶことになっている。いまのところ、法的には“米国の新星”とも言えるのだ。

 ただ、競技活動には選手登録が必要で、ナオチは日本協会に登録して活動してきた。もし米国籍を選べば「日本人初」と言えなくなるから「日本選手初」とはずいぶんな遠望だ。戦争ではないから、それはその時に考えることにして国民栄誉賞で大いに祝福すればいい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…