その錦織は29歳だ。日本協会は、伝統を全うしたこの史上最高の功労者にどう報いるのか。これを機に、伝統にすがった組織の改革しかないだろう。アマプロ問題を解決するための身を切る人事や、記者クラブとの癒着で情報管理を続ける広報体制の改革など、破綻した伝統にメスを入れずに、おめでとうもないものだ。
今年からデ杯の方式は大幅に変更になり、デ杯の威厳と緊張感は過去のものとなった。日本テニス界の“錦の御旗”は消えたのだ。いまだに改革の意思を示さない協会に、大坂なおみを称え、錦織圭を激励する資格はない。悪いけど、迷惑かもしれない。