大補強でも誤算生じ…V奪回義務の原巨人に燻る“3つの火種”
「炭谷の重用むしろ引き算」
原監督が「開幕一軍メンバーを絞り込むための第1次リミット」として設定した14日が迫っている。29日の広島との開幕戦まで12日のソフトバンク戦を含めてオープン戦は残り8試合。マリナーズとの“花相撲”を入れても10試合という段階に入り、いくつかの誤算が生じている。
まずは正捕手問題だ。原監督は3年総額6億円でFA補強した炭谷を開幕マスクの筆頭候補と考えていたが、ここにきてその炭谷が不安を露呈。非力な打撃はもちろん、致命的なのは絶対エースの菅野との息が合わないことである。
先週8日のオープン戦でバッテリーを組んで4回6失点。原監督が「2人の防御率があまり良くない。本人たちがしっかりコミュニケーションしながらというところ」とチクリとやったのも当然で、2人がコンビを組んだ2試合の防御率は10.50に跳ね上がる。
巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう言う。
「原監督が言うコミュニケーションだけで解決できる問題なのか。菅野と小林の同級生コンビは息がピッタリなだけに頭が痛いでしょう。そもそもパからセに移籍した捕手は苦しむことが多い。パには力がある投手が多いため、どうしてもリードが大味になる。セの方が野球が緻密で捕手が神経をすり減らすのが一因でしょう。原監督は内海や長野を流出させた補強を『勝負の世界は足し算ばかりではない。引き算もある』と例えている。しかし、同じくFAで獲得した丸はともかく、西武でも3番手捕手だった炭谷の獲得は本当に足し算になるのか。大枚をはたいた補強組だから不安には目をつぶって優先的に使わざるを得ないとなれば、むしろ引き算になってしまう可能性もある」