広島ドラ1小園は開幕一軍「内定」 二軍掛け持ちで休みナシ
広島のドラフト1位ルーキー小園海斗(18)が開幕一軍キップを手にした。一軍春季キャンプをケガなく乗り切り、オープン戦では15試合で打率.231ながら2本塁打。守備でも好プレーを連発するなど、新人離れした動きに、首脳陣は開幕一軍「内定」を出した。
高卒ルーキーは「二軍でじっくり育成する」という慣例がある広島では、実に19年ぶりとなる高卒新人の開幕一軍入り。田中広輔という絶対的な遊撃手がいること、遊撃一本での育成が基本線であることから、一軍では代走や代打、守備固めでの起用が濃厚だ。
つまり、一軍にいればベンチでも一流選手のレベルや球場の雰囲気を味わうことができる一方、実戦の機会は減る。二軍でより多くの実戦経験を積む方がいいという声もあるが、果たしてどちらが小園にとってベストなのか。
1965年に高卒新人で開幕戦にスタメン出場した評論家の山崎裕之氏はこう言う。
「選択肢はもうひとつあります。一、二軍とも場所がホームであれば、昼は(二軍の)ウエスタン・リーグの試合に出て、夜はナイターで一軍に合流する『親子』形式です。レギュラークラスでも生きた球を見ない時期が長ければプレーに影響する。いくら一軍にいても、打席に立たなければ打撃の実戦感覚を養えない。かといって、レギュラー選手が故障したときいきなり一軍に呼んでも、雰囲気にのまれてしまう。私も新人のときはそれなりに騒がれ、結果を求められるプレッシャーと厳しいヤジで心身共にキツかったのを覚えています。開幕してしばらく一軍の雰囲気を味わってから、二軍で実戦を積み重ねるのがいいのではないか」
広島では一、二軍の試合出場を掛け持ちする若手は珍しくない。小園にはしばらく、昼も夜もなさそうである。