錦織圭に必要なのは「また次があるさ」の楽な気持ち
キング夫人によれば、テニスは〈この一球〉ではなく〈次にも一球〉と言うことになる。この違いはアマチュアとプロの世界観の差だろう。この捉え方の違いにこそ、日本がなかなか乗り越えられない壁があるように思う。錦織は日本人だがアメリカ育ちのプレーヤーで、〈次の一球〉があると考えているはずだ。ただ、見ている日本のファンには〈この一球〉がこびりついている。この際、ハードコートで演じる生き生きした自分を信じ、「また次があるさ」と楽な気分でヨーロッパのシーズンを乗り切るしかない。